喉元過ぎれば何とかかんとか

 私は高校まで北海道の道東の20万都市で育った。子供の頃の遊びは専ら夏は野球、冬はアイスホッケーが定番である。その町ではスキーはマイナーなスポーツでほとんど楽しんでいる人はいなかった。

 もともと雪が少なくスキーを楽しむには阿寒湖畔か弟子屈あたりまで足を伸ばさなければ楽しめないスポーツである。一方、スケートは冬に各小中学校のグランドにスケートリンクを作るので今住み着いている道北の36万都市とは違いタダで気軽に楽しめる環境が整っている。私も夏は野球、冬はアイスホッケーを楽しんでいた。この町では逆にアイスホッケーはマイナーなスポーツである。しかし小学生から社会人、さらには女性チームを含め約四十のアイスホッケークラブチームが存在し、その各チームはシーズン中、十数試合の公式リーグ戦や練習など活発に活動しており、徐々にではあるが底辺を拡大しつつある。

 実は私も十二年前からこの町でアイスホッケーのクラブチームに所属している。チーム名は”メディクス”といい医者、医療技師、薬剤師など医療関係者のみで構成されたチームである。この町には通年利用出来るスケートリンクがないので(釧路、苫小牧、札幌では真夏でもスケートリンクがあり年中、試合や練習をやっている)十二月から三月までの期間しか楽しめない。それが非常に危ない原因の一つである。なぜなら夏場は何一つ体を鍛えることをせず、冬場だけいきなり一時間で一リットル以上もの汗をかく程の過激なスポーツをやっている訳である。

  私は今年いよいよ四十丁度の大台にのり、運が悪ければ”悪いできもの”ができてしまったり、心臓が”ウッと”苦しくなったりすることも頭の片隅には置いておかねばなるまい。特にここ数年は体力が指数関数的に低下してくるのを実感できる。三年前には首を痛め、時々首の痛みと手のしびれ感に襲われる。今年の二月には左足の膝と足首を痛めてしまい大変痛い思いをした。もう無理だ!やめようとその時は思うのだが”喉元過ぎれば何とか”である。

 それにしてもアイスホッケーは実に魅力的なスポーツである。私にとってストレスを発散するには最適のスポーツである。シーズン中は精神的ストレスが全く無くなる程楽しいのである。だから簡単にやめられない。チームメイトの整形外科の医者は一万円もする首のプロテクターのカタログを持ってきて、これを付けてやれば首は絶対大丈夫!と太鼓判を押すように言うから、本当に大丈夫か?と訪ねると”多分絶対大丈夫!”ということである。

 自分はどうかというとやはり喉元過ぎれば何とかで、どうも今年も危険を顧みずまたやってしまいそうな気配である。もう既にあの時の痛い思いは喉元どころか肛門から排泄される寸前であるようだ。

     

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